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日本のBSE検査の問題点


BSEの発生によりパニックに陥った日本国民は、未だにそのショックから解放されていないことをこのアンケートが示している。当時の政治家と専門家が安全対策として打ち出した食用牛の迅速テストは、全てのBSE感染牛を市場から排除出来るものと消費者は信じてしまっている。この「全頭検査の安全神話」を信じている日本国民は、その神話から脱却できず、未だに日本の大多数の消費者は検査頭数を少なくすると何となくBSEのリスクは大きくなると考えている。

2003年に消費者主体の安全行政に大きく舵を切った日本の行政は、この神話を信じている消費者の意見を重要視するようになったため、2001年に安全神話の作成に関与した政治家、学者、生産者や業者は、自分達の作った安全神話を見直すことは、不可能(タブー)に近いと思っている。その様な状況下で検査の科学的意義や、その問題点を整理して検査の目的を見直すためには、並々ならぬ勇気とコミュニケーションの努力が必要となる。神話の間違いを指摘し、真に必要な安全対策を一つ一つ丁寧に説明する必要がある。この努力を地方自治体に任しておいたら、なにも変わらないと思う。

現状のままでは日本のBSE対策は国際基準からますますかけ離れてしまい、科学的根拠の無い基準として世界から見離されてしまう。一日も早くこのジレンマから脱却するためには、第一に食品安全委員会の出した科学的評価にしたがって、20ヶ月齢以下の食肉牛の検査を完全に廃止することである。もし生産者もしくは消費者が安全・安心のために全頭検査を続ける場合は、その安心料は自己負担とすべきである。第二に日本の基準をOIEの基準(36ヶ月齢以上)もしくはEU15の基準(48ヶ月齢以上)に改めるためのリスク評価を食品安全委員会に委託する必要がある。その口火をきれるのは「食の信頼向上を目指す会」か「学術会議」ではないかと思う。

以上

2009年3月13日小澤義博(OIE名誉顧問)
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