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活動紹介


平成20年11月11日

第一回メディアとの情報交換会
「残留農薬、メラミン問題から食の安全を考える」


 2008年11月11日(火)、「食の信頼向上をめざす会」主催、「第一回メディアとの情報交換会」が、ベルサール八重洲(東京都中央区)で開かれました。残留農薬やメラミンを例に食の安全性に関するお話の後、意見交換が行われました。

「第一回メディアとの情報交換会」概要

1.日時  平成20年11月11日(火)14:00〜16:00
2.会場  ベルサール八重洲 「ルーム5」
〒103-0028 東京都中央区八重洲1−3−7
八重洲ファースト ファイナンシャルビル3F
3.内容  14:00〜14:40
 演題:食の安全における残留農薬問題
 講師:健康食品管理士認定協会理事長 長村 洋一 氏
14:40〜14:50
 演題:メラミン問題と食の安全
 講師:食の信頼向上をめざす会 会長 唐木 英明
14:50〜16:00
 質疑応答及び意見交換
4.当会出席者 唐木英明会長、小出五郎幹事、伊藤潤子幹事 他
 

「食の安全における残留農薬」

鈴鹿医療科学大学教授 長村洋一氏

はじめに

 健康診断から検査入院した人が、急に体調をくずし、半年後に亡くなるケースがある。こういう出来事をきっかけに、健康診断のあり方を考えるようになり、「食と運動と心の健康」の研究を始めて今日に至る。
 報道が原因で市民が大きな誤解をしていると感じるこのごろ。薬は副作用があるが体にいいものと思われているが、農薬は微生物や昆虫を殺す「毒物」だと思われている。食品添加物は良い効果があるからある役目を果たすために加えられているのだが、。一般の人は、農薬と食品添加物は「毒」と捉えていることが多く、その誤解を正そうとしている。

食の安全と安心

 食の安全は科学の問題であり、食の安心は科学に裏付けられた心の問題である。国産は大丈夫とか、農薬・食品添加物はよくないとか、天然物は安全だと言う人たちが多いがこれは科学に裏付けられていない。
 日本における食の安全・安心に関する誤解はすべて「量の概念」と「モラルの欠如」によって起きていると思う。

農薬とポジティブリスト

 農薬とは、農業のために用いられる薬品のことで、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺鼠剤、ホルモン剤、誘引剤など、多種類ある。
 昔使われていた農薬は毒性が強く、パラチオン(有機リン剤)を、裸で撒き始めた人がすぐに死んでしまった例もある。
 農薬には、人間に害があるもの、虫と人に害があるもの、虫にだけ害があるものの3つがある。
 農薬は危険だといわれるが、農薬による死亡事故は、本来の使用目的でない自殺か他殺によるものであり、通常の使用で死ぬ人は滅多にない。食中毒の原因の95%は微生物に起因しているのに、残留農薬を危険だと認識している市民が多い。
 農薬の役割、危険性が一般市民に納得できるように説明すべきだが、それができていない。毒性は量で考えるべきだが、市民には判断の基準を与えられていない。なぜなら、メディアも行政もそういう量と作用の関係に関わる説明をしないから。

ポジティブリストとは

 農薬、飼料添加物、動物用医薬品を対象としている。
 国内で登録されていた農薬や登録のない農薬はCODEX基準を採用した。国内に登録がなく、国内登録があるときは登録保留基準を用いた。国内登録もCODEX基準もないときには一律基準(0.01ppm)を使い、まとめて、日本のポジティブリストができた。

ADIの決め方

 ある農薬の最大無作用量決定のためにあらゆる試験を行い、農薬評価書が作られる。最大無作用量とは、全く影響が出ない量のことで、次のような試験が行われる。かなり厳しい試験だといえる。
動物体内運命試験、
植物体内運命試験、
土壌中運命試験、
水中運命試験、
土壌残留試験、
作物残留試験、
一般薬理試験、
急性毒性試験、
目や皮膚に対する刺激性及び皮膚感性試験、
亜急性毒性試験、
慢性毒性試験及び発がん性試験、
生殖発生毒試験、
遺伝毒性試験、
その他の試験

 一日摂取許容量(ADI)は最大無作用量に、種差(10分の1)と個体差(10分の1)の積(100分の1)を安全係数としてかけたもの。だから、基準値の2倍でも、実際には科学的には安全性に問題はないが、「2倍もある、非常に多い、だから危ない」と思ってしまう。0.01ppmの2倍のお米を20年食べ続けることより、1日に15gの食塩を取る方が健康には悪い。量を考えない毒性論はナンセンスであり、化学反応は分子が出会って起きるから、出会う確率がほとんどないような分子は存在しないのと同じだといえる。

まとめ

 日本の食の安全と安心問題は、「量の概念」と「モラルの問題」にまとめることができる。食物テロのことを考えると、最後に残るのはモラルの問題からもしれない。
 まず、国民に量の概念を身につけてもらうような啓発運動が必要。だからこそ、食の安全を守り、国民の信頼を得るために、メディアから働きかけてほしいと思っている。
 最後に、DDTの使いすぎによる環境破壊を訴えた「沈黙の春」(レイチェル・カーソン著)の発表後、DDTの使用が禁止された。しかし、DDTのおかげで激減したマラリアの被害が再び増加してしまい、2006年、WHOは、室内でのDDT使用を推奨している。この事例から暮らしの安全について学ぶことは多い。

 

「メラミン問題と食の安全」

食の信頼向上をめざす会会長 唐木英明氏
  • メラミンはメラミン樹脂の材料で、ヒトの致死量は150g(塩は200-300g)。  カナダとアメリカで犬猫がペットフードを食べて腎臓疾患で多く死んだ。メラミンの材料になるシアヌール酸とメラミンが共存すると、溶けにくくなり結石をつくったためだった。
  • 中国では、粉ミルクの中にメラミンを多く入れたので、乳児が腎障害を起こし、亡くなった乳児もある。これは牛乳を水で薄めて、タンパク質の不足をごまかすために窒素を多く含むメラミンを入れて、タンパク質が多く含まれているように見せかけていたためではないか、とWHOは発表している。
  • 日本の厚生労働省はメラミンを食品添加物に定めることで、食品衛生法10条(無許可の食品添加物を利用してはいけない)で、取り締まれるようにし、この問題に対応している。
  • メラミンのADIは日本も含め多くの国で2.5ppmとなっている。粉ミルクとペットフードで腎障害が起こったのは、赤ちゃんは粉ミルクしか飲まず、ペットはペットフードしか食べないためで、大人はいろいろなものを食べるので被害者は出ていまい。赤ちゃんにだけ、1.0ppmの基準を設けている国もある。
  • 厚生労働省は食品添加物としてのメラミンに対して0.5ppmという基準を作った。
  • しかし、ここにふたつの基準が出来たために、市民にわかりにくくなってしまった。2.5ppmだけでよかったのではないか。


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